2023年4月25日1,518 ビュー View

【取材】東洋医学&西洋医学の並走が元気を支える18歳半の「サリー」。いつでもどこでも一緒なノーストレス生活も長寿の秘訣

12歳を超えても元気なダックスを、憧れと敬意を込めて“レジェンドダックス”と呼ぶことに決定! その元気の秘訣をオーナーさんに伺うのが、特集『レジェンドダックスの肖像』です。

今回取材に伺ったのは、18歳と5ヶ月(取材時)でも食欲旺盛で自らの足で歩くサリーちゃん。レーザーや針治療といったさまざまなケアを駆使しながら、ハイシニアでもイベントへのお出かけを楽しんでいます。

 

サリーちゃんのプロフィール

ダックスフンド

年齢&性別

18歳の女の子(2004年10月1日生まれ)

体重

3.1kg(若い頃4.5kg)

大好きなこと 

食べることで、大好物はお肉。

既往歴

・2016年、12歳頃にヘルニアを発症。グレード2〜3で手術はせずケージレストで回復。

・2019年1月頃に僧帽弁膜閉鎖不全症グレードCと診断、現在も投薬治療中。同年5月に急性肺水腫、急性心不全。肺から水を抜く処置後再発なし。

・2020年3月に鬱血性心不全に。安静にすることで回復。このときから現在まで酸素室をレンタル。同年6月には脊椎炎に。

・2021年5月に急性肝機能障害、同年10月に急性胃腸炎。

・2022年7月に突発性胃拡張になり、9月には急性膵炎、てんかん発作を起こす。

・2023年1月に2度、突発性胃拡張に。

 

若い頃からこまめな検診!

ダックスフンド

 

12歳頃にヘルニアになるまで、病気や怪我知らずだったサリーちゃん。ヘルニアもケージレストで回復するレベルで、18歳になった今もママさんのサポートなしで歩いています。

 

4年前に健康診断で心臓の病気、僧帽弁膜閉鎖不全症と診断されたものの、若い頃と変わらぬ食欲でマイペースに毎日を過ごしているそう。

 

その健康の秘密のひとつは、ママさんの健康診断に対する考え方でした。

 

「迎えた当時通っていた病院がペットドッグを推奨していたこと、そして周囲の犬友の意見もあり、サリーは幼い頃から健診を受けています。

 

5歳頃までは年に1度、それ以降は半年に1度のペースになり、13歳からは3〜4ヶ月に1度受けるように」。

 

ダックスフンド

 

高齢になるにつれて健診の周期を短くしているのは、犬の生きるスピードに合わせているから。

 

「私たちより早く年をとる分、高齢になると半年に1度では期間が空きすぎると感じたんです。

 

それでも4年前に僧帽弁膜閉鎖不全症と診断されるまで異常は全く見つからなくて、サリー自身にも変わった様子はなかったんですけれど、見つかった時点でステージCでした。

 

以降、投薬治療を続けていますが、もしこまめに検診を受けていなければ、発見時はもっと進行していたのではないかと思います」(サリーちゃんママ=以下「」内同)。

 

鍼や漢方薬。東洋医学的ケアも積極的に取り入れて

ダックスフンド

 

心臓病が発覚して以降、サリーちゃんは獣医さんから心臓に負担がかかることを止められたそう。その中にはお散歩もあり、年齢的にも歩けなることを心配したママさんは東洋医学を取り入れることに。

 

「高齢で足腰が弱ってくるのをカバーするために、東洋医学の獣医さんにレーザー治療と鍼治療をお願いしています。

 

当初サリーのひとつ年下の弟で、昨年亡くなったアトムが通い始めたのですが、その後サリーも受けるように。

 

心臓の負担にならないよう、ひと月に1回ペースでしたが、急激に足腰の衰えを感じ始めた1年前からは、10日に1度のペースで受けています。施術後は足の運びが目に見えて違うんですよ」。

 

ダックスフンド

 

また、食べる量は変わらず食欲は旺盛なのですが、消化機能が衰えてきているので、それをサポートするために胃炎や胃腸虚弱に効く漢方薬『六君子湯』も処方してもらっているんだそう。

 

実は東洋医学以前にも、10歳頃からスウェーデンマッサージに通い始め、サプリなどのインナーケアも色々と試しているママさん。

 

こうしてあらゆる方向から健康に対しアプローチしてきた結果が、今の長寿につながっているのは間違いなさそうですね。

 

ストレスをかけない工夫の数々

ダックスフンド

 

「元々サリーは鈍感力があるというか、何事にも動じない性格ですが、唯一ダメなのがお留守番。そのため留守番は基本させません」というママさん。

 

どこに行くにも一緒で、誰よりもママさんと過ごす時間が長いんだとか。

 

「改めて振り返ると、私は自分の時間を犠牲にしてきたのかもしれませんね。

 

けれど、これだって20年程度のこと。好きで一緒にいるわけだし、自分の時間を取るのは見送った後でも良いと思っています。何より留守番というストレスなくサリーが暮らしてくれることが大切なんです」。

 

年齢とともに変化するケア

ダックス

 

また、心臓を患ってからやめたことや変えたことも。

 

「トリミングサロン自体が負担になるので、完全シャンプーはやめ、お尻などを部分洗いするように。

 

それでも去年9月にはドライヤー中に興奮し、てんかん発作を起こしたので、それ以降はなるべく洗わずウエットティッシュなどでケアするようにしています」。

 

また、シニアアダックスがなりやすい突発性胃拡張を3回経験しているので、食事も朝晩の2回から日に数回を小分けにして少しずつ与えるように。

 

「フードは今は低脂肪の療法食ですが、昔からドライフードが基本。関節に良い成分が入っているかなどを基準に選んでいました。それと人間用のサプリ『ビオフェルミン』と『ビオスリー』も飲ませています」。

 

腸内環境を整えるサプリで、体の中から免疫力をサポートしているのも、長寿につながっているのかもしれません。

 

今も時々イベントへ。ママさんと一緒にリフレッシュ

ダックス

 

先日もドッグイベントに出かけ、久々の犬友に会ってきたというママさん。サリーちゃんの体調を考慮しつつ、時には一緒にお出かけを楽しむのも元気の秘訣のよう。

 

「以前からイベントが好きで一緒によく行くのですが、私のリフレッシュにもなっています。

 

ただ、今は短めに切り上げるなど、サリーの負担にならない程度で一緒に楽しめたらと思っています。

 

サリーはまだ目も見えているので、お出かけがいい刺激になるし、長年仲良くしているお友達に会わせるのも楽しみなんですよ」。

 

18年も一緒にいると、たくさんの思い出が積み重なっているものですが、中でも10年以上前にサリーちゃんとアトムくんを連れ、夫婦で千葉から北海道まで車で旅行をしたことが印象深いというママさん。

 

ダックス

 

「車で千葉から大間まで行き、そこからフェリーに乗って、10数時間かけて函館まで行ったんですよ。着いたあとも、あっちもこっちもと欲張りすぎて、旅行期間の1週間は、ほぼ移動みたいな旅でした(笑)。2頭ともよく付き合ってくれたなと思いますね」。

 

高齢となった今、もう長旅の思い出を作ることはできませんが、今、強く思う目標がひとつ。

 

「1日1日を一緒に過ごすこと。それが長く続くことです」。

 

18年前、ペットショップで出会ったクリームパイボールドという珍しい毛色をしたパピー。ダックスと暮らしたいと言ったのはご主人だが、数頭の中からサリーちゃんを選んだのはママさん。

 

あの日から今日まで、惜しみなく愛を注がれて年齢を重ねたサリーちゃんの表情は、とてもとても幸福そうなのです。

 

ダックス

 

取材・文/横田愛子

 

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