2021年8月22日4,499 ビュー View

【取材】20歳でも自分の足で30分散歩! 蘭丸が若い者に負けない理由はママさんの「気づき力」にアリ。

12歳を超えても元気なダックスを、憧れと敬意を込めて“レジェンドダックス”と呼ぶことに決定! その元気の秘訣をオーナーさんに伺うのが、特集『レジェンドダックスの肖像』です。

今回登場してくれたのはなんと20歳を超えた今も、自らの足でしっかり歩き散歩を楽しむ蘭丸くん。活発でボール命、ハイシニアになりようやく落ち着きを身につけたという蘭丸くんがここまで健康長寿を伸ばせる理由は、ママさんの観察力や蘭丸くん中心のライフスタイルにありました。

 

レジェンドダックス

蘭丸くんのプロフィール

ダックス

年齢&性別

20歳の男の子

体重 

4.5kg(若い頃は5.1kg)

大好きなこと 

ボール投げ命。海で泳いだり山登りに行くのも大好き。

既往歴

・10歳で口内環境が悪化。膿や鼻血が出たため全歯を抜歯。

・15歳で左目の角膜に傷がつき水晶体を破損し、左目を失明。同時期に胆泥症(胆汁が濃縮して泥状になった状態で食欲低下や下痢、嘔吐などの消化器症状が出ることも)が発覚、投薬中。

・18歳で肝臓の数値が悪化。また老化による血流低下が原因で一時後ろ左足が動かなくなる。

・19歳でてんかん発作。同じ年に急性肝炎に。

 

転勤族で各地を転々。住まい選びも蘭丸ファースト

ダックス

2001年、迎えて間もない頃

 

20歳を超えても元気な蘭丸くん。ママさんへの取材でまず驚いたのは、蘭丸くんの日本各地で暮らしてきたライフスタイル。

 

オーナーさんが転勤族なため、今までに北は仙台から南は沖縄まで、香川、福岡、山形、鹿児島、群馬、岡山と、いろいろな土地で暮らしてきました。

 

ガラリと環境が変わる引っ越しは人間だけでなく犬にとっても負担が大きいもの。

 

環境変化によるストレスから蘭丸くんを守るため、ご家族はある工夫をしていたそうです。

 

ダックス

沖縄に住んでいた4歳のころ。

 

「昨年秋に弟の十兵衛が虹の橋を渡って蘭丸だけになりましたが、もともと我が家はダックス3頭の多頭飼い。

 

共働きのため、自宅にいる時間が一番長いのは犬たちなので、住まいは犬に合わせて選ぶのがお約束です。

 

具体的には、移転先の家は毎回間取りが似た物件を探し、家具の配置をなるべく同じにするなど、蘭丸が戸惑わないようにしています。

 

近所に散歩できる公園があるかどうかも重要。現在は目がほぼ見えていないので夜の散歩は行かなくなりましたが、それでも30分は自分の足で歩きます。

 

ダックス

5歳のころ

 

また蘭丸は元来とても活発で、ボールを投げて取ってくる遊びが大好きなので、高齢になるまでに培った筋肉が体を支えているのだと思います。

 

あと蘭丸はヘルニアになったことがありません。これは生まれつき背骨が猫のように丸みを帯びた骨格なのがプラスに作用しているのかも。

 

ダックスって背中が真っ直ぐなのが美しいとされていますが、そうじゃないからこその利点だと思っています」(蘭丸くんママ=以下「」内同)。

 

セカンドオピニオンを重視し、針治療なども積極的に取り入れる

ダックス

2021年7月、福岡にて

 

15歳までは大きな病気や怪我がなかった蘭丸くん。しかし15歳を境に少しずつ老化の兆しが現れ始めました。

 

「蘭丸はもともと歯が弱く、3歳の時におやつのアキレスで割れてしまった歯を貼り合わせる治療をして以来、口の中を一切触らせてくれないようになったんです。

 

それで歯磨きができなかったせいか歯槽膿漏が悪化し、10歳で全部の歯を抜くことになってしまいました。

 

それ以外はこれという病気もなかったのですが、15歳の時、遊んでいて角膜に傷がつき左目が見えなくなり、まぶたが被さる状態に。

 

また同じ年に心臓に雑音があると言われ、それ以降は心臓の薬を飲んでいます」

 

ダックスと家族

2016年8月、仙台にて

 

その後18歳のとき、左後ろ足が動かなくなってしまいます。これは、老化のため血管が細くなり血流が低下したことで、血栓が詰まったのが原因でした。

 

「そこで血の迂回路を作るために、鍼治療を始めることにしたんです。

 

これが功を奏して、治療から1週間ほどで立てるようになりました。

 

鍼灸治療を試そうと思いついたのは、以前蘭丸のお兄ちゃん犬がヘルニアになった時、当時のかかりつけ医が鍼灸治療をやっていて、それで良くなった経験があったから。

 

それに東洋医学の先生は西洋医学とはまた違う視点での診察やアドバイスをくれるので、私に医学的知識がないぶん、病院選びにはこだわっているんです」

 

ダックス

2018年8月、岡山にて

 

引越すたびに新しい病院を探すことになるため、病院の選び方を聞いてみると...。

 

「私は心配症なので常にセカンドオピニオンが欲しいんです。

 

だからかかりつけ医は常に2つ以上。メインの病院、鍼灸、眼科などの専門医と、複数の先生に相談しています。

 

引っ越しで病院を移る時は、その時にお世話になっている先生に紹介してもらうことが大半ですね。

 

獣医学部がある大学が限られているからか、獣医師は横の繋がりが深いみたいで。獣医師さんがおすすめしてくれる先生だと安心できます」

 

また、若い頃から定期的に健康診断を受けていたそうですが、15歳以降からはまめに健康診断を受けていて、今はなんと2ヶ月に1度のペースだそう。

 

ダックス

20歳は福岡で迎えました

 

「それだけじゃなく、普段と少しでも様子が違うとすぐ病院へ行っています。

 

悪化する前に初期の段階で治療できるようにするのが大切だと思っているので。そのせいか現在は心臓や甲状腺、肝臓、てんかん発作などいずれも加齢による持病があるけれど、症状が出ているものは少ないですね」

 

早期発見のための健康診断や通院が、蘭丸くんが20歳という年齢を迎えられたことの秘訣なのは間違いありませんね。

 

蓄えてきた知識と観察眼が元気の源

ダックスと家族

2015年仙台にて。

 

犬関連の本を読んだり、犬とアロマやハーブの関係について学ぶうちにアロマにハマり、人間のアロマ検定1級を取得したり、犬のマッサージを学んだり。

 

これまで積極的に犬の健康についての知識を蓄えていたというママさん。その知識を活かし、様々なシーンで健康への工夫をしています。

 

「愛犬に何を与えるかを選ぶのは飼い主。だから、まず私が知識をつけようとたくさん本を読みました。

 

その結果、人間の食べ物はあげていません。

 

フードは腎臓機能をサポートする療法食ですが、ジャガイモやカボチャをあげる時にも腎臓の働きを妨げないよう茹でてカリウムを流すなど、体に負担の少ない調理法を選んでいます。

 

ただ、蘭丸は療法食が嫌いであまり食べないので、先生と相談しながら色々なご飯をあげています。

 

療法食に切り替えるまでは『フィールドゲインズ』というタンパク質が40%のカリカリ一択。これはダックス仲間で様々なフードを試した結果、一番食いつきが良かったので。

 

日頃おやつをあげる習慣はないけれど、うちは夫がスイーツ作りが得意なので、時々蘭丸ぶんにケーキやアイスクリームも夫手作りの犬仕様のものをあげています。

 

また、朝昼夜の3回のごはん以外にも、毎日ヨーグルトに納豆を混ぜたものを夜食にあげています。正直匂いがすごいんですけど、両方とも発酵食品だから体には良いのかも(笑)」

 

ダックス

サプリを取り入れ始めた2018年ごろ

 

17歳からはサプリメントも取り入れました。

 

「後ろ足が滑るようになったので、鍼灸の先生に勧められたアクティベートというサプリを飲ませています。

 

認知症予防のサプリで脳の萎縮を抑える効果があるらしく、脳が萎縮しなければ体が動くので、体が動けば関節や筋力も保てるそうです。

 

これならQOLが保てると思ったので続けていますね」

 

ほかにも血栓を作りにくくするサプリ、体内に溜まった毒素を排出させて症状を緩和する治療・ホモトキシコロジーの注射を月1で受けているそうです。

 

過去には数度命の危機も...心配症な性格が奏功して20歳に

ダックス

2019年5月、福山にて

 

19歳になった昨年には、急性肝炎やてんかん発作にも見舞われます。

 

この危機を乗り超えられたのは、ママさんのささいな変化も見逃さない観察力があったから。

 

「病気に気づくのがすごく早いんです。抱っこした時の様子や吐き戻した時の吐き方に違和感を感じたり。

 

あれ?と思うとすぐ病院へ行くので、急性肝炎になった時も症状が現れるかどうかの時点で治療が受けられました。

 

長寿の秘訣があるとしたら、違和感を放置しないこと。

 

実際、あと1日遅かったら重症化していたというケースが過去に何度かありました。

 

しかし、私自身、その違和感をうまく説明できない状態で病院へ行くので、その違和感の正体を突き止めてくれる先生との出会いも欠かせません」

 

ダックス

2021年5月、福岡にて

 

また、ストレスにも気をつけています。

 

「蘭丸はドッグカフェよりも海散歩など、家族とアクティブに過ごす方が好き。だから苦手な場所には連れて行きません」

 

ここ2年くらいは夫婦の仕事の時間がずれ、ひとりで留守番をさせる時間が減りました。

 

「それもストレス軽減に役立っているのかも」とのことです。

 

 

ダックス

5歳のころ。若かりし日のようにボールを追いかけて走れなくとも、いまだしっかりとした足腰で散歩を楽しみます。

 

取材中はママさんの足元をぐるぐる歩き回る蘭丸くん。その元気の裏側には、ママさんの知識や観察眼があることは間違いありません。

 

やはり日頃からどれだけ愛犬の様子を把握しているかが、長生きの鍵と言えます。

 

また、アイデアマンのご主人は滑り止めシートで蘭丸くんの靴を自作するなど、ご夫婦がいかに蘭丸くんが快適に過ごせるかを常に考えているそう。

 

高齢になると1日中寝ている子が多い中、今も朝日と共に起きて自分のために整えられたスペースで自由に過ごす蘭丸くんは、ご長寿ダックスのロールモデルです。

 

取材・文/横田愛子

 

 

★「#レジェンドダックス」で投稿お待ちしています!

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