【取材】19歳でもドッグランがパワースポット!“小悪魔ジャイアン”な「フラッぺちゃん」の長寿の秘訣は念入りな歯のケアと栄養たっぷりの甘酒
12歳を超えても元気なダックスを、憧れと敬意を込めて“レジェンドダックス”と呼ぶことに決定! その元気の秘訣をオーナーさんに伺うのが、特集『レジェンドダックスの肖像』です。今回取材させて頂いたのは御年19歳1ヶ月のフラッペちゃん。15歳までは元気いっぱいの病気知らずでうれしたのしの毎日だったのですが、16歳以降は、次から次へと襲いかかる病魔との闘いの日々に! その試練を、フラッぺちゃんとママはどのように乗り越えてきたのでしょうか――。
目次
フラッぺちゃんプロフィール
年齢&性別
19歳と1ヶ月(2002年12月2日生まれ)
体重
3,5kg
大好きなこと
お散歩! ドッグランなど、運動が大好き。
既往歴
・16歳の血液検査でクレアチニン値に異常が。医師からドックフードを腎不全用のものに変えることを勧められる。
・18歳になってすぐ、膵炎を発症。このあたりから、次々に発症する気管支炎、歯周病、認知症、大腸炎などのケアに追われるようになり今に至る。
気は強いのに甘えん坊!小悪魔ジャイアン・フラッペちゃん
「とにかくマイペースでストレスを溜めない性格です。
我が強くて、何か気に入らないことがあると、すぐに歯茎を剥き出しにして怒るんだけど、甘え上手だったりもして……、一言でいえば“小悪魔ジャイアン”て感じでしょうか(笑)」(フラッペちゃんママ=以下「」内同)。
オーナーであるフラッぺちゃんママが、思わず口元をゆるめながら話す愛犬、フラッぺちゃん。先日19歳の誕生日を迎えた女の子です。
フラッぺちゃんがおうちに来たのは、生後2~3か月の頃。ママのお父さんと弟さんがペットショップで出会い、家族にすると決めたそうです。
「フラッぺが来てすぐの頃、夜中に急にぐったりと動かなくなって。驚いて病院に連れていったら、こっそりカーペットの糸などを食べていたせいで腸閉塞になっていたんです。
緊急手術で助かったのですが、もう少し遅れていたら、舌と腸で糸を引っ張りあっていたせいで舌が壊死していたかもしれないと聞き、肝が冷えました……」。
それをきっかけに、すぐに犬用の保険に入ったというママさん。でも、その後は、15歳になるまで一度も病気をしなかったそうです。
何か気をつけたことなどあるのでしょうか――?
「ダックスフンドなので、ヘルニア対策として、高いところにはあげないように気をつけてきました。あと、歯のケアはしっかりと心掛けましたね。
獣医さんから歯や顎が鍛えられていいと聞いた“牛の蹄”を与えてきたのですが、そのおかげなのかモノをよく噛む癖がついていて。
19歳になった今でも大好物の歯磨きガムを食べることもできますし、誤嚥知らずです」。
注釈:一般的には、牛の蹄は歯が折れるリスクが高く、与えないほうがいいとされています。フラッペちゃんは歯が丈夫だったこともあり、獣医師に勧められたそうですが、マネしないでください。
15歳までは、年に一度全身麻酔で歯石取りを行うなど、口まわりのケアも忘れずに続けてきたそうです。
散歩が大大大好き!衝撃の“血だらけ”事件も…
その他の長寿の秘訣は、ズバリ「運動だと思います」とのこと。詳しくお聞きすると、想像以上にストイックな内容でした。
「フラッぺの要求の根本は、“自由にしろ~!”でして。小さなころから、リードなしで走り回れるドッグランが大好きで、本当に、本当に大好きなんです(笑)。
はじめてドッグランに行ったときに、よく走るな~って感心して見ていたら、他のワンちゃんのオーナーさんが近づいてきて『お宅のワンちゃん、足から血出してるよ』って。え~!?と仰天して見に行ったら、すっごい笑顔で、流血しながら走り続けていて……、もう絶句しました」。
コンクリートのドッグランでほぼ休みなく1時間走り続けていたため、肉球が破れていました。
すぐに抱き上げて連れ帰ったそうですが、フラッぺちゃんが「帰りたくない!」と暴れて大変だったのだとか。
「今は体調面も考えて、月に一度連れて行けるかどうかなのですが。連れていったら、ヨチヨチながら、全く休もうともせずに歩き続けます。
老犬がずっと歩いているので目立つんでしょうね、他のワンちゃんのお母さんから『ず~っと歩いていますよネ……!』とお声掛けいただくことがよくあります(笑)」。
その馬力ならぬ犬力の強さに、昔も今もドッグランで注目の的のフラッぺちゃん。
年も年なだけに、去年は狂犬病の注射を打つか迷ったそうですが、フラッペちゃんのQOLのために……と決断。打ってもらい良かったと感じているそうです。
「フラッペにとってドッグランはパワースポットなんです。行くと元気になるので。
お散歩も好きで、家にいても、隙あらば玄関や窓際に行き“出かけよう”アピールをしています」。
16歳から少しずつはじまった、看護に追われる怒涛の日々
そんなフラッぺちゃんですが、16歳から少しずつ様々な体調不良に悩まされるように。
「はじまりは、かかりつけ医院での血液検査でした。クレアチニン値の数値が良くなくて、ドックフードを腎不全用に変えることを勧められたんです。
そこでドライのシュプレモから、Dr's careの『キドニーケア』に変えて、しばらくは問題なかったのですが。今度は腎不全が悪化して“食べない期”がはじまり、それからが大変でした」。
腎不全でよくみられる症状のひとつ、食欲の減退が顕著に。
ふりかけなどを使い、どうにか飽きずに食べられるように約2年半ごまかし続けたものの、一昨年(17歳)から、ドライ、ウェット、生肉、総菜、手づくり食、一般フードなど、何を与えても食べようとしなくなりました。
そこで「何か少しでも食べてくれれば」と、常に10種類以上、さまざまなご飯をストックしていますが、捨ててしまう食べ物の量も増え、ママさんのメンタル面もかなりしんどくなったといいます。
「食材を捨てることの罪悪感を抱えながら、食べなければ死んじゃうという不安にも駆られ、立つ気力もないくらい落ち込んでしまったこともあります。
それでも、最悪な状況からフラッぺは必ず復活してくれて。
“食べない期”のあと、急に“食べる期”に戻って驚くほどもりもり食べるようになるんです。この子の生命力の強さには感嘆します」。
腎不全が悪化し点滴通いの日々を送る中、今年の1月に大腸炎も発症。休む間もなく膵炎、気管支炎にもなり、その後すぐ歯周病も悪化。
認知症による徘徊で昼夜逆転生活もはじまり、まさに18歳は怒涛の日々を過ごしてきたと、この一年を振り返るフラッペママ。
「膵炎が悪化し食べられなくなったので、膵炎の注射・BrendaZと点滴を5日間連続で、集中的に打ってもらったのが去年の2月。
そこで状態が落ち着いたと安心したのもつかの間、空気の乾燥で気管支炎になり、病院でネブライジング(吸入)してもらって、また薬が増えました。
そこで咳が落ち着いたと思ったら、今度は歯周病の悪化で頬が腫れて、抗生剤で散らしてもらい……。
それからも毎月、トラブルが起きては獣医さんや、インスタグラムで出会った、もっと年上のワンちゃんのママからアドバイスをいただいたりして。
そのときそのつどのトラブルにどうにか対応して切り抜けながらの今という感じです」。
そんな2021年の激動の日々の中、インスタグラムで出会った他のオーナーさんたちの存在に心底助けられたと話すフラッぺママ。
励ましや応援に元気づけられるだけでなく、後ろ足がうまく動かせなくなったフラッペちゃんのために、後ろ足補助用ハーネスやカートのプレゼントもいただき、ママ自身の実生活でも何かと助けていただいているそうです。
現在の食事について
現在のフラッぺちゃんの食事のリズムは、朝、昼、夜の3回。
「もともとは、朝に一回だけだったんですが、一度に少ししか食べられなくなってきて、二回、三回と、分けて与えるようになりました。
腎臓と膵臓では、必要な栄養素とダメな成分が真逆なので、食事内容はそのつど異なりますが、例えば“食べる期”のメニューは、朝に『エネルギーチュール』とロイヤルカナンのリキッド、昼は生肉と甘酒、夜には卵巻きシュウマイと甘酒でした。いずれもリンが少ない食材を選んでいます」。
大量の薬やサプリを与えなければいけなくなってから取り入れ、うまくいっているのが犬用の甘酒とのこと。
「米粒がほとんど残っていないサラサラの甘酒に、薬や、獣医さんにおすすめされたサプリなどを混ぜ合わせ、ドロドロにしたものを食後にあげています。
リンの吸着サプリ『カリナール コンボ』に、乳酸菌のサプリ『マイトマックス・スーパー』、関節のサプリ『アンチノール』、認知症のサプリ『メイべットDC』、なた豆のサプリなどですね」
献立を立てる際は、“栄養バランス”だけでなく、まずは食べてもらうために“飽きさせないこと”も意識しているそうです。
周囲からの愛情をたっぷり受けて、まだまだ長生き!
フラッペちゃんのために食事以外で工夫したのが、部屋の大改造。
ベッドやドアのスキマなど、フラッぺちゃんが認知症になってから挟まってしまうようになった場所を、軽くて、汚れても良いダンボールで覆い、ぶつかっても痛くないようにしました。
さらに今毎日頑張っているのが、歯磨き。まず天然の抗生剤と言われるマヌカハニーの歯磨きジェルで磨き、その次は、歯磨きシート『歯石トルン』で歯石除去、最後に口内洗浄液『ナノウェル』の3段階で仕上げているそうです。
これからもママはもちろんのこと、フラッぺちゃんパパ、インスタグラムのお友達、獣医さん等々多くの方に愛されながら“レジェンドダックス”らしく、フラッペちゃんは長生きしてくれることでしょう。
最新のフラッぺちゃんの様子や、フラッぺちゃんが腎不全になった当初食べていたドライフードに関する情報などが、ママのインスタグラムから詳しく見られますので、そちらもぜひご覧ください。
取材・文/浅田よわ美
★「#レジェンドダックス」で投稿お待ちしています!
ダックスフンドライフでは、取材にご協力頂けるレジェンドダックスを探しております!
12歳を超えたダックスたちは、「#レジェンドダックス」をつけてInstagramに投稿してみてくださいね。
編集部から取材のお声がけをさせて頂くかも!?
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