【取材】18歳9ヶ月のまりん。日課は手作り歩行器での「グル活」! 寝たきりにさせない工夫で今日も明日も前へ。
12歳を超えても元気なダックスを、憧れと敬意を込めて“レジェンドダックス”と呼ぶことに決定! その元気の秘訣をオーナーさんに伺うのが、特集『レジェンドダックスの肖像』です。
今回取材に伺ったのは、18歳と9ヶ月(取材時)になるまりんちゃん。試行錯誤を経て何度も調整を重ねたという手作りのグッズを愛用し毎日の運動を欠かさない彼女は、パパさんとママさんの愛に包まれて今日も元気にグル活しているのです。
目次
まりんちゃんのプロフィール
年齢&性別
18歳の女の子(2002年12月14日生まれ)
体重
4kg(若い頃は4.7kg)
大好きなこと
若い時はお散歩、現在はグル活
既往歴
・10歳でヘルニアを発症、翌年再発し手術。その後また再発するも注射で症状が治る。
・18歳で子宮断端(だんたん)蓄膿症に。脾臓、胆嚢、肝臓、腎臓が加齢により弱るも、高齢のため詳細な検査はせず。現在、ステロイドなどの投薬療法で治療中。
18歳を機に様々な変化が訪れるも、「好き」を諦めない暮らし
「パピーの頃からおっとりした性格で、ペットショップでの遠慮がちな姿に一目惚れしました。そのまま穏やかに年齢を重ね、今に至ります」というまりんちゃん。
いつも可愛いワンピース姿で、歩行装置を使って器用に部屋の中を歩くのが日課です。
グルグル棒と名付けられたこの装置はパパさん特製で、これを使って歩く運動を家族は“グル活”と呼んでいるのだとか。
「正直18歳を迎えられるなんて思っておらず、だからこそ今は毎日が大切」(ママさん)という言葉からもわかるように、まりんちゃんの毎日は、パパさんとママさんのたくさんのアイデアに溢れています。
食事にも長寿の秘訣あり
今はお昼寝と夜の睡眠時間以外は、歩行器の上という生活(ただし身体の負担にならないよう、1時間に1回ほどは抱っこなどをして歩行器から降ろすようにしているそう)。
昼間にグル活で運動しているせいか、夜中に起きるのは1回あるかないかです。
「歩行器の上では、食事も排泄も無理なくできるように、タオルやトイレシートを取り付けています。
あと、ナックリング防止と肉球の保護を兼ねて足にテーピングするのも定番です」。
ごはんは、シニアになってからはロイヤルカナンの消化器サポート用をふやかさずそのままあげています。
「パピーの頃に病院の先生からおやつや人間のものはあまりあげないようにとアドバイスされたので、最近まではほぼフードのみ。
普段食べ慣れていないものだと吐いてしまうので、たまに変わったものをあげる時は少量に抑えています」。
そんなところも、長寿に一役買っているのかもしれません。
ついでの歯石取りで18歳まで病気知らずに!?
ママさんが長寿の理由だと考えているできごとが、歯石取りです。
じつはまりんちゃん、10歳でヘルニアを発症。手術のために往復4時間をかけて広島の病院まで行くという大変なものでした。
「この手術の際、麻酔をしたついでに先生が歯石をキレイに取ってくれたんです。
ダックスは歯周病から他の病気になることが多いですが、歯石除去をしたおかげか、18歳という年齢になるまで、ずっと病気になることもなく過ごしてきました」。
しかし18歳というスーパーハイシニアになり、子宮断端蓄膿症に。
「それだけでなく、数ヶ月前からは後退ができないようになり、認知症らしき症状が出てきました。
診断を聞き私は落ち込んだのですが、夫が楽天的で、まりんが寝たきりにならない工夫をたくさん編み出してくれるんです」。
創意工夫であふれたパパさんの手作り介護グッズ
まりんちゃんのため、グル活装置や車椅子は全て、パパさんが手作りしたというから驚きです。
「車椅子はネットで検索しながら、塩ビパイプなどを使い試行錯誤しながら作ってくれました。
車椅子は、ずっと後輪のみのものを使っていたのですが前足も弱り始めたので、4ヶ月前からは現在の4輪タイプにリニューアル。
グル活装置もパラソルの土台に塩ビパイプを取り付けたもので、これはSNSで他の人が作っていたのを参考にしたみたい」。
最初はリビングを柵で囲い自由に歩かせていたそうですが、しょっちゅう柵にぶつかっては動けなくなっていたので、安全に運動できるようにとグルグル棒を思いついたのだそう。
「回る方向や棒の長さなど、まりんの歩き方を見て日々微調整を繰り返しています」。
このたゆまぬ努力は、寝たきりにさせたくないという気持ちから。
「運動することで少しでも刺激を与えたいんです。寝たきりにしないことって、やっぱり長寿の秘訣かなと思うので」。
すべてはもう一度、外に散歩に行くために
もともと散歩が大好きなまりんちゃん。足が弱った今も歩きたい欲求はそのままのまりんちゃんのために、グル活以外にもしていることが。
「まりんが思うように歩けなくなった時に、散歩コースにあったドッグマッサージのお店に通い始めました。
週に1度のペースでマッサージを始めた当初は、歩けるまでに回復したんですよ。
自分で起き上がれなくなった今は体調と相談しながら行っています」。
また、血の巡りをよくするために、市販の小豆カイロを使い腰を温めるのも欠かさないそう。
そんなママさんが心がけているのが、ケア以外の日課として毎日「ありがとう」とまりんちゃんに伝えることだそう。
実は7月に床ずれが原因で耳が壊死したため、ママさんの声がちゃんと聞こえているかどうかは分かりません。
「それでも、まりんが日々がんばる姿を見ていると、自然と“ありがとう”と言っているんです」。
また、表情、歩く様子、食べ方などをよく観察し、まりんちゃんが何をして欲しいのかを汲み取るのも日課のひとつ。
さらに体圧分散マットで寝ているまりんちゃんの体勢を2〜3時間おきに変えるなどの介護的要素も年々増えてきました。
しかしそんな苦労も「こちらのトライに対して応えてくれると、“もっと快適に過ごさせたい”と欲が出ますね」と、ママさんは苦労を苦労とも感じていない様子で語ります。
「車椅子に乗る前は、ヘルニアの経験から滑らないよう家中にカーペットを敷き、階段は抱っこ、ソファーはロータイプに変えるなどの工夫をしました。
しかし今は、再び外でお散歩をさせてあげたくて、新たな車椅子を考えているんですよ」。
そして取材の翌日、ママさんのインスタグラム(@mariiiiiiin_n)には足を付かずに無理なく外を立ち姿勢で移動できる、新たな車椅子の試作品がアップされていました。
「こうしてあげたい」をすぐに行動に移すその行動力こそ、まりんちゃんが老いに負けずにイキイキと輝く理由なのかも。
その深い愛がある限り、まりんちゃんのための試行錯誤はこれからもずっと続きます。
取材・文/横田愛子
★「#レジェンドダックス」で投稿お待ちしています!
ダックスフンドライフでは、取材にご協力頂けるレジェンドダックスを探しております!
12歳を超えたダックスたちは、「#レジェンドダックス」をつけてInstagramに投稿してみてくださいね。
編集部から取材のお声がけをさせて頂くかも!?
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