2023年1月12日2,316 ビュー View

【取材】19歳にしてパピコフェイスの「はな」。16歳で出会った神の使い(!?)からのアドバイスで、健康がV字回復!

12歳を超えても元気なダックスを、憧れと敬意を込めて“レジェンドダックス”と呼ぶことに決定! その元気の秘訣をオーナーさんに伺うのが、特集『レジェンドダックスの肖像』です。今回登場するのは、19歳とは思えないほど愛らしいパピコフェイスを持つはなちゃん。16歳のときに出会った“神の使い”で、健康がV字回復したという奇跡のようなエピソードを持つ女の子です。

はなちゃん原稿プロフィール

ダックス

19際でもパピーのような可愛さ

年齢&性別

19歳の女の子(2003年7月18日生まれ)

体重

4.5kg(MAX 6.4kg)

大好きなこと

ぬいぐるみを振り回すこと、食べること、外の空気を吸うこと

既往歴

・1歳で交通事故。

・8歳で鼠蹊ヘルニア。

・10歳で軽度の胆泥症。

・14歳頃から膿皮症。

・16歳で歯周病、甲状腺機能低下、心肥大、心臓弁膜症。

・17歳で関節炎と表層性慢性結膜炎。

 

このまま帰すには忍びなく⋯

ダックス

若い頃はフワフワの胸毛でした。

 

はなちゃんは明るく天真爛漫で、人見知りも犬見知りもしない、とっても好奇心旺盛な女の子。でも、第一印象はまるで違ったそうです。

 

「職場のダックスが私にすごく懐いてくれて、こんな子と家族になりたいと思ったのがきっかけでした。それでブリーダーさんを探し、仔犬を見せてもらうことになったんです。

 

待ち合わせた駅で対面したのですが、その時の印象は“艶もなく、みすぼらしい子“。一目惚れというより、“この子をまた電車に乗せて帰らせるのは可哀想”という気持ちだったと思います。

 

でもウチに来てからはすごく元気で、よく食べよく遊び、どんな犬ともお友だちになりました。

 

大きな犬にも平気で行っちゃうので、そっちの心配が必要だったくらいです」(小林さん=以下「」内同)。

 

ダックス

2007年。大きい子とも上手に遊べました。

 

その後はすくすく育ったはなちゃんでしたが、1歳の時に交通事故に遭遇。誤ってリードを放してしまったことが原因でした。

 

はなちゃんは幸運にも軽症で済んだものの、“ほんの一瞬が命取り”という事態は誰にでも起こり得ます。ミスはあることを前提に、しっかり対策しておきたいですね。

 

頑張り過ぎない手作りごはん

ダックス

右は今愛用しているサプリの数々。お正月にはわんこ用おせちも。

 

交通事故の後は、シニアになるまで大きなケガや病気もなく、順調に歳を重ねたはなちゃん。ごはんはどんなものを食べていたのでしょう。

 

「16歳までは市販のドライフードでした。好き嫌いなく何でも食べてくれましたが、犬種や年齢に合わせて良さそうなものを選んでいました。

 

ですが東日本大震災を機に、どこでも手に入る、より一般的なフードを買うようになりました。あまり一般的でないものは、何かあったときに流通しなくなるかもと思ったからです。

 

ダックス

年齢とともに優しいお顔に。

 

ただ、14歳頃からは身体に良いものを優先し、『キアオラ』や『ZIWIピーク』に変えました。流通の不安は、ストックすることで対策しようと思って。

 

そして16歳からは手作り食です。といっても全部作るのではなく、炊飯器で炊く『パリフィ舎』のオーダーごはんをベースにしています。

 

トッピングは、馬、鹿、カンガルー、ターキーなどの肉、鱈、鰤、鮭、マグロなどの魚、そして卵や納豆などで、日替わりです。

 

オーダーごはんは体調に合わせてハーブなども調合してくれるので、膿皮症があるはなは、痒みをケアする調合でオーダーしています」。

 

おやつをもらう犬たち。

おやつタイムでは、いつでもセンター確保。

 

手作り食は、かかりつけ医やワン友からもアドバイスを受け、できるだけ気楽に取り組める形に。

 

それから、おやつは果物や人工物が少ないジャーキーなどにして、人が食べるものはなるべくあげないよう気を付けられています。

 

セカンドオピニオンも聞いて

ダックス

2010年、建設中のスカイツリーと。

 

モリモリ食べて健康だったはなちゃんも、シニア期に入ると少しずつ病気になることが増えてきました。

 

「8歳の時、鼠蹊ヘルニアになりました。いつものスキンシップをしていたら、足の付け根辺りにしこりを見つけたんです。

 

かかりつけ医に行くと、すぐに“取っちゃえば大丈夫”と言われて。それがあまりに簡単な感じだったので、セカンドオピニオンを聞きに別の病院に行きました。

 

そこでも結果的には同じ診断だったのですが、親身になって詳しく調べてくださったので、手術はその病院ですることにしました。全身麻酔です。

 

ダックス

玩具を振り回すのが大好きでした。

 

その後10歳の検診で胆泥症と言われましたが、軽症だったため経過観察のみで、治療はしませんでした。この時から半年に1度、定期検診するようになりました。

 

次が14歳頃からの膿皮症で、症状は痒みや皮膚の黒ずみ、脱毛といったものです。ステロイドの塗り薬で治療し、完治はしないもののしばらくは落ち着くという感じでした。

 

後から歯周病が原因らしいと判ったのですが、この時は対症療法的にステロイドを続けて、しかも多用してしまったので、だんだん効きも悪くなっていきました」。

 

歯周病が判ったのは2年後、別の病院でのこと。その病院に移られた経緯は、少し不思議なものでした。

 

神の使い!?

ダックス

神の使者(!?)に会った、16歳のころ。

 

16歳のある日、はなちゃんを連れて買い物をしていると、こんなことがあったそうです。

 

「全然知らないおば様が、はなを見て話しかけてこられて。色々と話しているうち、“近くに良い歯科専門の病院があるよ”“ウチの子も16歳の時にそこで手術したよ”と仰ったんです。

 

こちらから歯の話をしたわけではないので不思議に思いつつ、10歳を超えたら手術は難しいと思っていた私はハッとしました。

 

それでその歯科医に行ってみたところ、歯周病が進行していて痛みがあり、膿皮症も含め口腔以外にも悪影響を及ぼしているかもしれないので、手術した方が良いとのことでした。

 

年齢的な心配についても、他の疾患がないかしっかり検査して、何か見つかっても対処してコントロールすれば大丈夫だと言われ、手術することにしたんです。

 

実際にその時の検査で、年齢相応ではあるものの心肥大や心臓弁膜症があること、そして甲状腺機能が低下していたことも判りました。

 

それらの症状は薬で抑えることができ、手術は無事成功しました。

 

ダックス

病院にて。

 

ですがその後、この病院を紹介してくれたおば様のことを聞いてみたら、病院の方は誰もご存知なかったんです。

 

ここで手術もしたと言われていたのに、誰も知らないなんて⋯。本当に不思議で、今ではあのおば様は“神の使い”だったんじゃないかと言っています(笑)」。

 

16歳のはなちゃんが手術したことに励まされ、何人ものワン友が手術に踏み切ったそう。

 

何頭もの犬たちを救うきっかけになった、本当に犬神様の使いのような方ですね。

 

もちろん、どんな子でも手術を乗り越えられるわけではないので、麻酔や手術についてはお医者さんにしっかり相談しましょう。

 

年齢のせいではなかった

ダックス

穏やかな寝顔。

 

“神の使い”と熱心な歯科専門医のおかげで、歯周病の治療が成功しただけでなく、ずっと気になっていた症状も回復しました。

 

「問題だったのは甲状腺機能の低下でした。このせいで何に対しても興味や意欲が薄くなり、すっかり元気がなくなっていたんです。

 

他の犬に触られるのも嫌がり、散歩も頭を下げて近所を少し回るくらいで、このまま弱っていってお別れになるのかな、とさえ思いました。

 

検査で甲状腺だと判るまではそれが年齢のせいだと思っていたので、判って本当に良かったです。治療した後は、頭も上がり、見違えるように元気になりました」。

 

ダックス

バッグは大好きで、自ら入るそう。

 

この後は、17歳で左前脚の関節炎と慢性結膜炎がありましたが、関節炎には温熱療法が、結膜炎には点眼が効き、どちらも症状は抑えられています。

 

因みに歯周病の手術をしてくれた先生は、歯科以外にも詳しく対応も良かったため、手術を機にかかりつけ医になったそう。

 

何でも相談でき、“大らかだけど押さえるところは押さえる”という方針も、はなちゃんと小林さんにぴったり合っていました。

 

また関節炎の時は、ワン友が通っていた鍼灸の病院でも治療を受け、温めることで身体機能が改善することを実感。鍼灸には今も月に2回通われています。

 

基本の足腰ケアと見守りカメラ

ダックス

2022年、サプライズで19歳のお誕生日パーティーを開催!

 

「歳には勝てず、もうお別れかも⋯」と諦めかけた16歳から3年。19歳になった今も、時々走り出すくらい元気に暮らせています。

 

「散歩もゆっくりにはなりましたが、自力で40分くらい歩いています。カートは、あると “乗せて!”ってなりそうなので使っていません。

 

家の中でも、介護みたいなことはまだしてないです。ただ、ヘルニアを機にいくつか対策したことはあります。

 

フローリングには『わんわんスベラン』という滑り止めワックスを塗りました。今はそれでも歩き辛そうなのでタイルカーペットを敷いています。これは汚れても洗いやすくて便利です。

 

それからソファと床の間に段々やスロープを作っていましたが、今はもうソファに乗りたがらないので使っていません。あとは、階段の上り下りをさせないことくらいです」。

 

ダックス

パパのお迎えに。19歳になった今も歩いて向かいます。

 

やはり足回りのケアは基本ですね。他にこんな工夫も。

 

「見守りカメラは良かったです。留守番中の様子が分かって、すごく安心できました。

 

若い時から留守番が苦手だったのですが、今はだいたい寝てくれるので3時間は大丈夫です。でもそれ以降は起きてきて、5時間になるとウロウロし始めます。

 

カメラのおかげでそれが分かったので、家族やワン友さんにも協力してもらい、できるだけ5時間以上の留守番はさせないようにしています」。

 

ダックス

ご長寿表彰状をもらって、記念にぱちり。

 

もう一つ重宝されているのがトリミングサロン。小さい時から洗うことに慣れさせていたので、シニアになってもシャンプーは嫌がりませんが、自宅のドライヤーが苦手になってしまいました。

 

若い時から通っているこのサロンでは、シニアでも断らないどころか、できるだけ短時間でドライまで終わらせて、はなちゃんの負担が少ないようにしてくれています。

 

ポジティブ同士!

ダックス

ポジティブ同士のママと。

 

不思議な幸運も味方し、健康体を維持しながら20歳の大台に近づいているはなちゃん。小林さんと高め合った“あるマインド”が、その秘訣だったようです。

 

「はなは大らかな子なので、それを伸ばしてあげたいと思ってきました。

 

転んでもトイレを失敗しても、ケロッとして全然へこたれないんです。だから私も、へこたれないことを褒めてあげています。

 

でも、よく考えたら何でも褒めてますね。腹時計が正確なことも褒めています(笑)。

 

ダックス

大好きなパパとお花見。

 

それと、今のかかりつけ医である歯科の先生の存在も大きかったです。はなも私も、先生のおかげで穏やかなシニア期を過ごすことができています。

 

この先生もですが、他にも眼科や鍼灸など、専門医に診てもらえたことも安心できて良かったと思います。

 

ダックス

 

あとはインスタを始めたことも。はなのことを参考にしてもらえればと始めたのですが、逆に参考になったり、意識が変わったこともありました。

 

色々な症状や介護の様子を見て“もしはながこうなったら⋯”と心構えできたり、自分だけなら諦めていたことも“こんな方法もあるんだ!”と別の見方ができるようになったり。

 

病気のことは素人判断はダメだといつも思っていますが、それ以外のことも、自分の考えに固執せず、いつもアップデートしていきたいです。

 

それから、家族が同じ意識を持つ事が大事だと思い、どんなに小さな事でもちゃんと話し合って共有するようにしています」。

 

ダックス

最近のはなちゃん。お顔に白い毛が増えたものの、19歳とは思えないパピーのような愛らしさです。

 

そんなお話を伺っていると、取材に同席されていたお友だちが「元々ポジティブなはなちゃんが、小林さんの影響でさらにポジティブになっているんじゃないかな」と仰いました。

 

その横でニコニコと笑っている小林さんからは、確かに大らかなポジティブオーラが。この温かなオーラが、“神の使い”まで引き寄せ、はなちゃんをレジェンドに導いているのかもしれませんね。

 

取材・文/橋本文平(メイドイン編集舎)

 

★「#レジェンドダックス」で投稿お待ちしています!

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