2020年2月1日2,027 ビュー View

【歯周病】心疾患や糖尿病にも関連している!放っておくと危険な歯の病気

歯周病は放っておくと細菌が体内にまわり、命を落とすケースもあります。毎日の歯磨きで予防できますので、オーラルケアを怠らないことが何よりも大切なのです。

はじめに

ダックスフンド,病気

Ekaterina Brusnika/shutterstock

3歳以上の犬たちの80%が歯周病というデータがある現在、我が子のお口の状態は大丈夫でしょうか?

 

昔に比べ、今は多くの飼い主様が歯磨きの重要性を認識されています。

 

一緒の空間で生活するようになり、一緒に寝るようになり、愛犬の口臭が気になって病院を受診される方が昨今とても増えたように感じます。

 

もしおうちの子に少しでも口臭があるようでしたら、今見えていない歯周ポケットでの感染や炎症が起きている可能性があります。

 

歯周病のないお口の中は本来無臭なのです。

 

それでは、その歯周病はどのように進行するのでしょうか?

 

原因

歯周病は、細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患です。

 

歯ブラシなどのお口のケアーが不十分な場合、歯と歯肉の間、いわゆる歯周ポケットに多くの細菌(歯垢)が停滞し、歯肉炎を引き起こします。

 

歯肉炎は歯肉が赤く腫れるという症状が出るのですが、口の中は飼い主様には決して見やすいものではなく、犬たちも痛みをほとんど感じません。

 

そのため飼い主様が気付くことが難しく、放置されがちな結果、進行していきます。

 

歯周ポケットは健康な小型犬では、通常1-2mmの深さ。

 

ところが歯肉炎が進行すると歯周ポケットはより深くなっていき、嫌気性菌といわれる強い炎症を引き起こす細菌群が増加し、歯肉炎から歯周炎へと悪化して行くのです。

 

特に小型犬は、大型犬と比較して、顎の大きさに対して歯が大きいため(歯が近接している)歯周病になりやすい傾向にあります。

 

症状

歯周病は歯を支える土台(歯槽骨)を溶かすため、歯がぐらつき始め、最後には抜け落ちてしまいます。

 

他にも、犬の上顎の歯の根っこはすぐ上に鼻が通っているため、その炎症が鼻にまで到達し、くしゃみや鼻汁を慢性的に引きおこします。

 

また、隣接する頬が炎症によって腫れるなどの症状も見られます。

 

全身の免疫力が低下したシニア犬では、口腔内環境が悪化し、歯肉が化膿する症例も増えます。

 

その他にも歯周病は、心疾患、脳血管疾患、糖尿病など様々な疾患に関連していることがわかっており、口腔内に特異的な細菌が、心臓や肺と言ったその他の臓器から発見されていることから、全身に影響を及ぼすことも懸念されます。

 

治療・予防

まずは一度病院でお口の状態をチェックしてもらいましょう。

 

犬の歯科学は日本では最近着目され始めた分野。

 

歯周病を確実に診断するための歯科用レントゲンや歯科用外科器具を揃えている病院はそこまで多くはありません。

 

しかし、愛犬のお口を診断し処置する上ではとても重要なことですので、ぜひかかりつけで相談されてみてくださいね。

 

もしすでに歯周病になっているのであれば、麻酔下で確実に治療し、その後は自宅での毎日の口腔ケアが何より大切な予防になります。

 

経験上、犬たちの歯科処置をした後、性格が穏やかになるケースや食事に対して興味が強くなるケース、活動性が増すケースなどが見られます。

 

このことから、犬たちは歯の疾患に対して何らかの違和感やストレスを日々抱えていることがわかります。

 

歯周病は飼い主様が予防できる疾患です。また、一度破壊された歯周組織は元には戻りません。

 

予防、早期の発見、治療、メンテナンスがとても重要になりますので、しっかりケアをしてあげましょうね。

 

ダックスフンドは他の犬種と比較すると歯並びが良い子も多く、また口も大きく開くことができるため、歯磨きがしやすい犬種です。

 

飼い主の皆様には、毎日のオーラルケアによって、愛犬の歯周病をぜひとも予防していただきたいと思います。愛犬の歯磨きって、とても大切なんですよ。

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