【外耳炎】悪化すると神経症状を起こして命を落とすケースも…垂れ耳のダックスフンドは要注意
病気のサイン
耳をかゆがっている。頭を振っている。耳の中が赤い。耳垢が溜まりやすい。耳から異臭がする
症状
外耳炎になると、耳の痒みや違和感から後ろ足を使って耳をかいたり、頭を振るといった症状があらわれます。
また、壁やソファなどに耳をこすりつける様子が見られることも。
耳のあたりを触った時に痛みで「キャン!」と鳴く場合もあるでしょう。
実際に耳の中をのぞいてみると、耳が真っ赤に腫れていたり、耳垢が溜まっている様子が見られるケースもあります。
また、耳の中の匂いを嗅いでみると、独特な異臭がすることも。
外耳炎が悪化し長期に及ぶと、耳の中が腫れて耳道が狭くなりさらに状態は悪化します。
鼓膜にまで炎症が及ぶと、中耳炎、内耳炎になり、神経症状なども引き起こしますので、悪化する前に受診されることをおすすめします。
原因
犬の外耳炎の原因は、一次的な原因と二次的な原因とに分けられます。
一次的な原因とは、例えば、耳ダニと言われる寄生虫が感染していたり、お散歩中に耳の中にゴミや草花の種子などの異物が入り込んで耳道内を直接刺激することで外耳炎を引き起こすのです。
また、アトピーやアレルギーが基礎疾患として存在し外耳炎を起こしているケースも。
ダックスフンドはアトピー、アレルギーを持っている子達も多いので、慢性的に繰り返す外耳炎の場合は、アトピー、アレルギーをしっかりと診断する必要があるでしょう。
二次的な原因は細菌やマラセチアと言われるカビの一種が要因。
しかしながら、細菌やマラセチアはそれだけでは外耳炎を引き起こすことは少なく、一次的な原因や、外耳炎を悪化させるその『他の要因』と組み合わさって細菌やマラセチアが増殖し、外耳炎を引き起こしていることが多いです。
『他の要因』とは?
ダックスフンドの場合、以前は垂れ耳の犬は耳の中が蒸れて外耳炎になりやすいと言われました。
しかし実際には、耳道の狭さや、皮脂分泌の多い犬種が外耳炎になりやすいと言え、立ち耳、垂れ耳などの形状は関係ないと思われます。
ダックスは垂れ耳ではありますが、比較的広い外耳道を持っており、耳をめくって中を覗くと奥までよく見えるのではないでしょうか?
ダックスフンドとは対照的な短頭種(チワワ、パグ、フレンチブルドッグなど)は耳道が非常に狭く耳道内の汚れが外に排出されにくいため、炎症を引き起こしやすいのですが、ダックスフンドは他の犬種と比較すると広い耳道を持つので、蒸れにくい犬種とも言えます。
しかしその分、異物(毛やゴミなど)が耳道内に侵入し、炎症を引き起こす要因となる場合があります。
診断
外耳炎の診断は、耳の痒みがあるかどうか、実際に耳が赤い、腫れている、異臭がする、といったことを確認することで容易に診断できます。
しかし、大事なのは『なぜ外耳炎になったのか?』を考えることです。
外耳炎になったのは初めてなのか、それとも以前にもなったのか、食事は何を食べているのか、他の皮膚はどうか、実際に耳道内はどうなっているのか、耳垢の中には細菌、マラセチア、寄生虫などの存在はどうなのか、そういったことを全てチェックした上で、治療方針も決まってきます。
治療
外耳炎では耳垢が溜まっていることがあるので、適切な方法で耳垢をしっかりと除去することが大切です。
細菌やマラセチアが増殖している場合、点耳薬で治療をします。程度によって点耳薬だけの場合や飲み薬が必要になる場合があります。
一般的に、2−3週間治療にかかります。
予防
まずは愛犬の耳の匂いを嗅いでみましょう。炎症のない耳は、飼い主さんがくんくん嗅いでも全く臭くないはず。
もし、いつもと違う匂いや、異臭がする場合は外耳炎になっている可能性があります。
定期的に耳の観察をし、必要があれば耳そうじをしてあげることが予防につながります。ただし、綿棒など奥まで入れて掃除をするのは逆効果。
犬の耳の皮膚はとっても薄いので綿棒で傷をつけてしまいます。オススメの耳そうじの仕方をご紹介します。
オススメの耳そうじの仕方
目的は、お耳の汚れをきれいにすること。耳垢を落とすことを目的に作られた専用の洗浄液とコットンを用いて丁寧にケアーするのがベター。綿棒などは使わないようにしましょう。
1、コットンに洗浄液をしめらせ、耳に押しあてて液をしぼります
この時、洗浄液を人肌に温めるのがポイント。使用する分だけ小さなカップにとり、ひとまわり大きいカップにお湯を張り洗浄液を温めると数十秒で人肌になります。
自分の耳でやってみるとわかるのですが、冷たい洗浄液を耳に入れるとドキッっとしてしまいますよね。人肌に温めた洗浄液を使用するだけで犬たちもお耳のお手入れがずっと好きになるはず!
汚れがひどい場合は、専用のクレンジングオイルでそっとふきとるのも有効的です。
2、耳の付け根をもち、優しくマッサージしてください(1分程度)
※マッサージをすると、汚れがどんどん浮き出てきます
3、コットンやティッシュなどで、汚れを優しく拭きとります
耳の炎症がひどい場合は、洗浄液がしみて嫌がることがあります。そのような場合は病院を受診するようにしてください。
炎症がひどい場合には、耳は触らずに消炎剤を使用して数日してから洗浄することもあります。
※洗浄液はアルコールの入っていないものがオススメ!
愛犬の耳の環境は1頭1頭ちがうもの。耳垢がたまりやすい子、乾燥しやすい子、皮膚がデリケートな子。
その子その子に合う洗浄液を見つけることが大切です。
もし、定期的に洗浄しているのに、しょっちゅう外耳炎になるのだとしたら、実は背景にアトピーやアレルギーがあるのかも。
犬のアトピー、アレルギーは耳にだけ慢性的な炎症を起こすことがありますので注意してくださいね。
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