【取材】突然の失神から見事復活!19歳8ヶ月の「アンディ」その健康のカギはこだわりの食生活
12歳を超えても元気なダックスを、憧れと敬意を込めて“レジェンドダックス”と呼ぶことに決定! その元気の秘訣をオーナーさんに伺うのが、特集『レジェンドダックスの肖像』です。
今回取材に伺ったのは、19歳と8ヶ月(2022年4月4日現在)になるアンディくん。20歳目前とは思えぬ若々しい姿を保つ彼の健康長寿の源、それは健康オタクだと自称するママさんの愛と工夫が詰まったライフスタイルにあったのです。
アンディくんのプロフィール
年齢&性別
19歳の男の子(2002年7月12日生まれ)
体重
5.7kg(若い頃は6.2kg)
大好きなこと
ドライブで窓から外の景色を眺めること。魚介類。
既往歴
・14歳で白内障と歯周病。目は今も少し見えている。
・今年の2月に突然失神。不整脈との診断。
先代犬たちの経験を活かしダックスライフをアップデート
アンディくんは自宅で生まれた生粋の“ウチの子”。
以前はアンディくんのおばあちゃん、お母さん、そしてアンディくん&ルビーちゃんという4頭の多頭飼いで賑やかに過ごしていましたが、1年前にルビーちゃんが旅立ちアンディくんだけになりました。
しかしルビーちゃんも18歳まで生きた長寿犬。遺伝と思いきや、長寿の裏にはママさんの多彩な工夫があったのです。
「アンディの母犬サラは16歳、兄妹のルビーは18歳まで生きてくれたけど、祖母のスーは13歳で旅立ったので遺伝的に長寿なわけではないと思います。
私がスーから三世代に渡ってダックスと暮らすしてきた経験から、食や健康面をアップデートしていったのが大きいのかも。
初代のスーはご飯もドライフードだけでしたが、サラからトッピングを始めるようになり、その後野菜や酵素も足しました。
すると便の状態がすごく良くなったんです。それをきっかけに犬の食生活を見直し始めたのですよ」(アンディくんママ=以下「」内同)。
朗らかにそう教えてくれたママさんは、ご自身もかなりの健康オタク。様々なアイデアを犬との暮らしにも取り入れているのだとか。
「母犬が亡くなってからアンディとルビーは今まで食べていたドライフードを食べなくなったんです。
考えた末に手作り食を試したら気に入ってくれ、それ以来ご飯は完全手作りに。今は豚肉やサバ缶、大豆、ブロッコリー、きのこ、海藻類を煮てペースト状にし、高齢でも飲み込みやすいようモロヘイヤやオクラなどとろみが出る旬野菜をプラスするのが定番。
3週間分まとめて作り、小分け冷凍しています。
年を取ると食が細くなるけれど、我が家は1日1回、最低5口くらいは必ず食べさせ、また寝る前にも低脂肪ヨーグルトを小さじ一杯飲ませています。やはり健康を支えるのは食事ですもの」。
手作り食以外にも、調べて良いと思ったものは積極的に与えているそう。
「認知症と乳がん予防にピーナツバターが良いと聞いたので小さじ一杯、それに免疫力向上や心臓病対策にバナナを毎朝少し。
ゆで卵を5時間程度ぬかにつけた“糠漬け卵”も腸内環境をよくする効果があるので、ひと口ほどあげています。
あと庭にローリエの木があるのですが、ローリエの葉には消化を促し内臓ストレスを減らしたり、弱った胃腸や肝臓、腎臓の働きを良くする効果、それに冷え性にも効くんです。
私が毎日、鉄瓶で沸かしたお湯に摘みたてのローリエの葉を30枚ほど浸けた“ローリエ湯”を飲んでいるのですが、それをアンディのごはんにも混ぜています。
もう5年くらい続けていますが健康に一役買ってくれているのかも」。
なんとアンディ君は19歳という年齢になるまで白内障と歯周病以外の病気にかかったことがなく、今年不整脈が見つかるまではダックスに多いヘルニアとも無縁でした。
まさに体を気遣った食生活のおかげではないでしょうか。
強い薬も手術もNG。だからこそ丈夫な体作りがマスト
まさに理想的な健康長寿を体現するアンディくんですが、実は麻酔や薬にアレルギーがあり、アナフィキラシーショックが起きるおそれから使用は厳禁。
去勢手術もできず、ヘルニアになっても強い薬は飲ませられない体質のため、手術を要する病気にならないための体作りは必須でした。
「我が家はアンディ含め1頭もヘルニアになっていませんが、これは段差を設けていない家の構造にあると思います。
また庭で自由に運動をさせ、無理のないペースで走れる環境にしていたのも良かったのでしょう。
今も昼間は自由に室内を歩き回って体を動かしているので、高齢でも昼夜逆転することもなく夜はしっかり寝てくれますよ」。
取材中はママさんに抱っこをせがんだり、ずっと起きていたアンディくん。ハイシニアともなれば日中の大部分を寝て過ごす子も多い中、彼の体力には目を見張るものがあります。
「色々試しているので具体的にコレが効いた、というのは分からないけど、無理なくできる範囲でアレコレしていることが総合的に奏功しているのかもしれませんね。
例えばアンディの寝床周辺にはたくさん植木を置いて室内でもマイナスイオンを感じられるようにしたり、リラックス効果のあるラベンダー精油を焚くことも。
それらが食と相まって効果を発揮してくれているのかな。19歳の現在も、自分で排泄をコントロールできるし、いわゆる介護はありません」。
一度は別れを覚悟したものの翌日にはみごと復活!
そんな19歳という年齢とは思えないほど元気で丈夫なアンディくんですが、今年2月に生死の境をさまよう出来事が起こります。
「深夜に突然バタンと倒れて失神したんです。その時、私と母でアンディの体を必死でさすったことを覚えています。
お迎えが来たのかと覚悟を決めかけた時、自ら起き上がって水を飲みに行ったんですよ。
翌日病院で調べると不整脈が原因らしく、先生に人間なら亡くなっていたと言われました。
実は13歳頃から先生の勧めで心臓病の予防薬を飲ませていたのですが、それもあって今回奇跡の復活を果たしてくれたのかもしれません」。
病院で診断を受けた翌日にはもう走っていたというから、アンディくんのたくましさには感服です。
そこからは心臓の薬とともに、獣医師に勧められた『PET IGG』という機能性ミルクのサプリを飲ませているそう。
「先生にも“もうすぐ20歳って本当だっけ?”と驚かれるほどですが、もうこの年齢なら塩分以外は好きなものを食べさせてあげるようにと言われているんです。
アンディは肉より魚介派で、中でも好物はカニ。時々カニを少しお裾分けしますが、日頃もマグロのアラやサバなどをあげたり、オヤツにも無塩無添加の煮干しをあげています。
ちなみに以前カニカマをあげたら、本物の蟹ではないことを見破られ抗議されました(笑)」。
ちなみにアンディくんがお世話になっている先生は、なんとママさんが子供の頃に診察してもらっていたかかりつけ医の娘さん。信頼のおける獣医師との出会いもご長寿ライフに影響しているのです。
「私がアクセサリーデザイナーという職業柄、パリに長期間行くこともあります。
以前1ヶ月ほど家を開けることになったときには、先生が“何かあったら往診するわよ。”と言ってくださり、その言葉で安心して海外に行けたんです。
結局往診なしで過ごせましたが、とても親身に診てくださるので心強いんですよ。
今までに4回病院を変わりましたが、自分が100%信頼できる先生と出会えたことはとても心強いですね。
あと、我が家は来客が多いので、いろんな人がアンディを構ってくれることも良い刺激になっているように思います」。
食と環境、そして信頼できる獣医との出会い。そんな様々な要素が融合した結果が“今も走れる間もなくハタチ”のアンディくんを作ったのかも。
ママさんの目標は少しでも長く一緒に今の日々を続けることだそうですが、これからも後長寿ダックスのロールモデルとしてもっと長生きしてくださいね。
取材・文/横田愛子
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